「自己肯定感」のとらえかたについて。
目次
- ○ 「自己肯定感」という言葉におどらされないために。
- ○ 「ありのままの自分を受け入れる」ってどういうこと?
- ○ 自己肯定感が低いと、何がいけないの?
- ○ ところで、あなたの自己肯定感は高いのでしょうか?
- ○ 自己肯定感が低いとしても、おかしいわけではない。
- ○ 自己肯定感が低くても高くても、あなたはそのままで素晴らしい。
「自己肯定感」という言葉におどらされないために。
ここ数年で「自己肯定感」という言葉を、頻繁に聞くようになったのではないでしょうか?
「現代人の多くは自己肯定感が低い」とか
「自己肯定感が低いと幸せになれない」とか。
そんな言葉を聞いて、「自分ももしかしたら自己肯定感低いかも・・・?」と少し不安をあおられることもあるかもしれません。
でも、ここで一度立ち止まって、自己肯定感を正しく理解しておくことで、あなたの不安が不安のままにせずにあなたの心が少しでも楽になるはずですので、ぜひ最後までお読みくださいませ。
「ありのままの自分を受け入れる」ってどういうこと?
自己肯定感とは、「ありのままの自分を受け入れられる感覚」のことを指します。
・・・と言っても、よく分からない方は多いと思いますのでここで少し深堀りしますね。
わたしたちはいつも、「これがほしい」「これを身につけたい」と、いつも何かを求めて毎日行動したり、たくさん努力を積み重ねているものです。それは会社の要望だったり、SNSで気になったことに興味をもったことだったり、毎日の不満をなんとなく解消したくて、その行動を起こしていることがほとんどです。
そういったわたしたちは、無意識のうちに「何かしていないと落ち着かない」「今の自分のままでは足りない」と考えてしまうことがあります。
たしかに、何かのために努力することは非常に重要だし、そのおかげで私たちは多くのことができるようになったり成長することができる、ということも確かです。
ですが、こういった生き方や習慣の中で生きるわたしたちは、今の「ありのままの自分」をそのまま受け入れることを忘れてしまいがちです。
努力や行動は大事かもしれません。ですが、そういった努力や行動がなくては「落ち着かない」「自分には価値がない」という思い込みまで作ってしまい、結果としてどこまでも自分を否定して傷つけている人も、決して少なくはないのです。
自己肯定感が低いと、何がいけないの?
自己肯定感が低い。つまり「ありのままの自分を受け入れられない」人は、頻繁に自分のコトを否定してしまいます。
そこで生まれる問題は、本当に多くあります。
・ささいなトラブルまで自分のせいにし、必要以上に心身を消耗させてしまう
・無意識の中で自分を否定してしまうのでメンタルが消耗し、ささいなことで落ち込んだり怒りを感じやすい
・自分の欠点に気づいただけで、自分を「価値がない」と思い、自信をスグに失ってしまう
・自分のコトを信じることができず、前に進むための決断や行動がとれない
・自分の発言に自信が出ず、いつも他人の言葉に振り回されてしまう
・他人のほめ言葉を素直に受け取ることができず、他人に不安や恐怖を感じやすい
・他人の言葉に過敏になり、他人との関係をうまく作ることができない
ここに挙げたものはほんの一部ですが、これを見て頂いただけでも、あなた自身の人生全体に悪影響を及ぼすことがなんとなく想像できるのではないでしょうか。
ところで、あなたの自己肯定感は高いのでしょうか?
ここまでで自己肯定感が低いことによっておこることを説明してきましたが、そもそもこの記事を読んで頂いているあなたの自己肯定感はどのくらい高いのか?もしくは低いのか。知りたくはないでしょうか?
ここにチェックリストを用意しましたので、ぜひトライしてみてくださいね。
以下の項目に【はい・いいえ】で答えて、【はい】の数を数えてみてくださいね。
①人と比べて、自分は何の価値もないと感じる。
②何か失敗すると、ずっと自分を責めてしまう。
③完璧主義で、ひとつの失敗も許せない。
④苦しくても人に頼むことができない。
⑤自分の意見が言えず、相手に振り回される。
⑥自分のことを話すのが苦手。
⑦“できる人”であると思われたい。
⑧人に手伝ってもらうのがイヤだ。
⑨自分だけでものごとを判断できない。
⑩期待に応えようとして無理をしてしまう。
⑪自分の長所よりも、短所に目がいってしまう。
⑫子供の時は「手間がかからない子」だった。
⑬自分の弱みを見せるのが怖い。
いかがでしたでしょうか?
以下から結果を確認してみてくださいね。
【はい】の数が・・・
0~2個:いい感じです!あなたの自己肯定感は非常に高く保たれています!
3~6個:自己肯定感は低くはないようです。ただ、習慣によって落ちることもありますのでどうか油断なさらず。
7~9個:自己肯定感は割と低いようです。毎日、どことなくつまらない、つらいと感じるコトは多くないでしょうか?
10個以上:自己肯定感がかなり低いようです。できるだけ早急に改善することをおすすめいたします。
あなたの結果はわかりましたか?
先ほどまで説明したように、自己肯定感が低いことで起こることはあなたの人生全体にネガティブな影響を与えてしまいます。
ですので、この結果を重要なあなたの現状を理解するための情報として、しっかり覚えていてくださいね。
自己肯定感が低いとしても、おかしいわけではない。
さて、ここに一つ統計があります。内容は、「自分自身に満足しているか」という調査を13歳~29歳の若者に対して行ったものになります。
アメリカは86%の若者が自分自身に満足していると回答しているのに対し、日本はなんとその半分程度、46%の若者しか自分自身に満足していない、と回答しました。
日本人は、そもそも「自分がこれでいい」と思うことはそこまで多くないようです。日本人特有の謙遜の文化、画一化された教育指導要領など、考えられる要因は多岐にわたるとは思われますが、いずれにしても日本人が自分自身に満足したり、「自分はこれでいい」と思うことは比較的難しく、(気休めのように思われるかもしれませんが)日本人である私たちが自己肯定感が低いことはおかしいことではない、ということもぜひ知ってくださいませ。
自己肯定感が低くても高くても、あなたはそのままで素晴らしい。
自己肯定感が低いことは、確かに不幸につながってしまいやすい特性です。
でも、「自己肯定感が低い」ことが悪いことであるか、と言うとそういうわけではありません。あなたがこれまで、そして今この瞬間も生きている時点で、あなたは生まれてから今この瞬間までに経験してきたあらゆる困難をすべてひとつ残らず乗り越えてきたということです。もちろん、困難を経験しているときにはただツラいと思っていたり、乗り越えたとしても、思うようなやり方ではなかったかもしれません。ですが、どんな形であれあなたはそれをすべて乗り越えてきました。そのチカラが、今のあなたにはすでに備わっているということです。
今、この文章を読んでいるあなたがたとえ「自己肯定感が低い」としても、それはあなたの生き方が間違っていたことを表すわけではありません。「自己肯定感が低い」というのはただの結果であり、それ自体がいいことでも悪いことでもないのです。
だからこそ、今のあなたがどんな状態であっても、「このままでいいんだ」と、ありのままのあなたをいったん受け入れてあげてください。その「受け入れる」ことから、あなたの自己肯定感の回復が始まるのですから。